漢方で心も体も穏やかに。漢方コラム(2)
【東洋医学を正しく知って不調改善】
今回の漢方コラムは、東洋医学における頻尿対策です。
頻尿とは?
頻尿とは尿が近い、尿の回数が多い状態を指します。一般的に朝起きてから就寝までの排尿回数が8回以上、または夜間に2回以上トイレに行く場合は頻尿となります。
その患者の症状と所見に合わせて治療法を決める東洋医学では、頻尿の原因もその人の体調や体質の状態により起こると考え、タイプを3つに分けています。
1「元気がない人のタイプ」
尿を体にためておく力として「気の固摂作用」があるのですが、「気」が不足して固摂作用を発揮できないために、頻尿の症状が出ます。対処するツボとして、ちょうどへその真上にある神闕があります。このツボをカイロやおきゅうにより温めるといいでしょう。
2「高齢者に多いタイプ」
尿が出にくく漏れやすいといった症状を伴う一方で、夜間に何度もトイレに行きたくなり、手足や下半身が冷え足腰も重だるいのが特徴です。原因は体を温めるエネルギー不足。対処するツボとしては内くるぶしとアキレス腱の間にある太渓がお勧め。親指で気持ちよい圧で時間をかけて指圧したり、湯たんぽなどで温めてください。
3「ストレスや情動のタイプ」
睡眠中は症状が消失するものの、イライラしたり怒りっぽかったり憂鬱などの症状を伴います。尿量も少なく、情緒の変動により尿回数も変化しがちです。
特に助骨の下のあたりの季肋部から脇腹に指が入りづらかったり、痛みがある場合は、足の親指と人さし指の間にある太衝というツボを強くならない程度に5秒3セットくらいを、痛みが消え少し楽になるまで押すと効果的です。どのタイプにも共通する頻尿対策のポイントとしては、適切な飲水量を守ること。水分はノドが渇いている時に飲み、それ以外は少しだけにしてください