先日土曜日知人の紹介で相談に来られたのは60代女性Hさん。4,5年前から大好きなゴルフが打ちにくくなり、気にはなっていましたが、年のせいだと思い、そのまま放置。去年9月から急激に症状が悪化し、ゴルフどころか歩くこともままならず、12月からは首の筋肉に力が入らず頭を支えきれなくなったとのことでした。ご自身で原因となる何かの心当たりありますか、お聞きしましたが、特にストレスもなく、経済的にも恵まれているので、自由自在に生活をしていたとのこと。なにか薬を飲んでいますかと聞いたら、10年以上も前からコレステロールを下げる薬を毎日欠かさず飲んでいるとのことでした。もしかしてそれが原因ではないかと思いました。スタチン系のコレステロールを下げる薬は、肝機能障害、筋肉低下を招く副作用が知られています。
今出ている症状、首の筋肉が弱く頭が上がらない、歩きにくい、両手にも力が入らない、口の筋肉も衰えてしゃべりにくいなどですが、とても辛そうでした。病院ではパーキンソン病の一種と診断され、パーキンソン病の薬が処方されましたが、全く効果がなく、医師の予想ではこれから急激に症状が悪化するだろう、とのことで本人と家族は希望を失い、漢方を求めてこられたのです。もちろん断言はできませんが、もしそれがコレステロールの薬の副作用によるものだとしたら、とても恐ろしいことです。日本でコレステロールの薬を飲んでいる人がどれだけ多いかを考えるとぞっとします。コレステロールぐらい、薬を飲まなくても食事を変えたり、運動したりなど生活習慣を変えることで十分改善できると思いますが。Hさんにはまずはコレステロールを下げる薬を減らして漢方養生で体質改善をしていただくことにしました。薬をやめるだけでもしかしたら症状の進行は止まるかもとおもいますが、10年も飲んでいる薬をやめるのも不安で勇気がいります。徐々に減らしていくことで本人も納得。