蓮の花が満開のシーズンを迎え、新聞でも播州地区の蓮の名所が
よく紙面を飾るようになりました。
たつの工場のすぐ目の前の池にも水面一面に蓮の花がきれいに咲いています。
時期を同じくして黄花菜/百合の花の一種が満開のシーズンを迎えました。
長姉の家庭菜園の入り口に千本ほどの黄花菜が植えられていて夏には黄色い
花が人を恍惚させます。
その黄花菜が体がよいと姉が花開く前の蕾を丁寧に一本ずつ摘み取り、天日干しに
して送ってくれるのでたまに我が家の食卓を飾ります。
黄花菜は花がきれいで花びらは栄養素の高い中華食材としか思ってなかったですが、
先日クラスメートのTさんが送ってきた散文「一皿の黄花菜」を読んで、感動したというか
学ばせてもらったというか、黄花菜に大いに惚れ直しました。
今は家庭料理の一つになった黄花菜も私たちが子供の時は貴重な年越え料理であった
事から始まったTさんは、
1.黄花菜は唐の時代から母親花として文人墨客から歌われていた。カーネーションの
始まりのヨーロッパより1000年、母の日に贈るようになったアンナ・ジャービスより
1500年も早い。その証拠に孟郊の「遊子吟」がある。萱草/黄花菜
萱草生堂階/萱草 堂階に生じ
遊子行天涯/遊子 天涯に行く
慈親倚門望/慈親 門に倚りて望み
不見萱草花/見ず 萱草の花を
2.日本でも忘れ草として万葉時代から歌われている。 忘れ草/萱草/黄花菜
わすれ草わが紐に付く香具山の故りにし里を忘れむがため(大伴旅人)
わすれ草を私は紐に付けているよ。香具山の見える懐かしい故郷を忘れるために…
大伴旅人のこの歌は大宰府勤務時代に書いたものですが、Tさんは3年前にわざわざ京都から
大宰府まで足を延ばしています。当時はなぜ大宰府に行ったか分かりませんでしたが、
その後Tがさん書いた七言律詩「遊大宰府遺跡」を読んでなるほどと思いました。
今度の「一皿の黄花菜」この律詩に続く感動でした。