令和5年に入って雪山遭難事故が相次いでいます。
1月13日北海道の羊蹄山でバックカントリースキーの外国人女性が雪崩に巻き込まれて
死亡しました。
1月23日1泊2日で屋久島宮之浦岳縦走予定の韓国人登山者といまだに連絡が取れていません。
天候不順で捜索が難航しているとか。
1月29日長野県白馬乗鞍岳でバックカントリースキをしていたグループが雪崩に巻き込まれ
3人は救助されましたが、アメリカ人とオーストラリア人の二人が亡くなりました。
雪山登山やバックカントリースキーはスリル感があり楽しさも倍増しますが、その反面遭難
リスクも高いです。
私もエベレスト登山の順応訓練の下山中、後ろから滑落した登山者に蹴飛ばされスキーのように
滑降しながら前の登山者を蹴飛ばし、3人ともクレパスの手前に固定したロープに吊るされましたが、
運よくクレパスに落ちずに救助され、九死に一生を得ました。
日本の100名山と3000m以上の山を踏破し、4千m、5千mの山を飛び級し、いきなり6157mの玉珠山に
挑戦しましたが、8人のパーティーの中、登頂成功したのは私だけでした。
他の7人のメンバーは全員5千m級の山を登っていて、4300mのベースキャンプで高山病で身動き
できない私を見て、口では言いませんが目の視線は「こんなレベルで玉珠山に来たか」と言ってました。
過酷な環境の中で登頂できたのはよかったですが、下山中滑落が始まり、無意識的に刺したピッケルが
氷雪に刺さり一命を取り留めました。同行のガイドさんが両手に汗を握ったと言ってくれました。
このほかにも雪山でヒヤッとしたことはたくさんありましたが、この二つの事故で私は雪山の怖さを
死ぬほどわかっています。
今も雪山には年に何回か行っていますが、家内が一緒なので危ない雪山、高い雪山には行きません。
但馬の1千m級の山に行っても、ここはアルプスの山と一緒のつもりで登山企画を立てます。
雪山の遭難事故は予想外のところから起こりますので、雪山登山にしても山スキーにしても
必ず山のルートや雪崩の危険性のある場所、時間帯などを十分にリハーサルをして、万が一事故が
起きたときの対応対策を含めて万端の事前準備をしなければなりません。
自分の命は自分で守らなければなりません。
チームリーダーにすべてを任したり、経験豊かな人と一緒なら大丈夫だと思うのは危険です。
本来は雪山登山、バックカントリースキーなどの楽しみやスリル、達成感を求めた山行が
遭難事故になっては元も子もありません。
雪山は楽しむ前に雪山のリスクを十分に学ぶことが何よりも必要ではないでしょうか。
半人前の漢方、発酵職人・素人俳人・吟詠初心者 木元正均
清峰流の創始 吟道清峰流 (eonet.ne.jp)(私が所属している吟道清峰流猶興吟詠会HPです)