1月は急いでいく、二月は逃げていく、三月はさっさと行くいわれてますが、
4月、5月はのんびりゆっくり行くと思ったらいつの間にか6月になりました。
今日は6月3日、端午の節句の日です。
端午の節句は、清明節、中秋節、春節と共に中国伝統4大節句の一つです。
中国では3日間の祝日になっており、今はコロナ禍で祝日ムードが今一つですが、
本来ならば各地方でそれぞれ盛大にお祝いするはずです。
中国では上古時代から端午の節句の風習があり、中国北方では無病息災を祈願して
ヨモギを軒に挿したり、中国南方では龍の昇天を祝ったりする行事でした。
それが迫害を受けて島流しされていた屈原(BC340~278)が5月5日国の陥落を恥じて
悲痛のあまり汨羅江に身を投じたのをきっかけに、今は屈原を記念する色合いが大きい
平安無病を祈る伝統行事に代わりました。
ほかにも、かの有名な呉越同舟、臥薪嘗胆の四字熟語を作り出した伍子胥(ごししょBC559~484);
父の川の遭難事故死後その遺体が見つからないと14歳の少女でありながら、追っかけ身投げ死を
遂げた天下の孝女曹娥(そうが、AC130~143);亡命中、飢餓を凌ぐため自分の太股の肉を抉り出し
主君晋文公に煎じて食べさせた介子推(BC?~636)などを祀ることもありましたが、今は屈原
一色の祭りムードになりました。
ちなみに、端午の節句にはよく粽子(ちまき)を食べますが、それが屈原が汨羅港に身を投じた後
村民たちが屈原の遺体を魚が食べないようにと握り飯を川にたくさん投げ込んだことに由来するとか。
また、隣の相生市はペロン祭りが有名ですが、長崎を含め龍舟を競うこの競技も端午の節句と関連
深いですね。
龍の昇天、本当は縁起の良い節句ですが、今中国では端午の節句にはお祝いとか祝福のメッセージ
より、平安無事、無病息災のあいさつになってしまいました。