一昨日の日曜日、孫文記念館の移情閣で「酒と漢詩」と題して
出田恵美子さんの講演がありました。
移情閣は明石大橋のすぐ近くにあり国の重要文化財に指定されました。
この建物は中国人実業家呉錦堂の別荘「松海別荘」でしたが、
孫文が1913年3月14日来神した際、ここで歓迎の昼食会をした
事に由来して、1984年孫文誕生の日に「孫中山記念館」として
開設されました。
コロナのことで普段より参加者は少なかったですが、中国古典
文学に造詣の深い方々が集まり、中身の濃い勉強会でした。
出田恵美子さんの「酒と漢詩」講演は今回が2回目で主に
陶淵明の生涯と酒ゆかりの漢詩が紹介されました。
陶淵明といえば、李白より300年ほど前の詩人、文学者で「桃花源記」が有名ですが、
お酒には目がないほどの酒好きで、たくさんの酒の名句を残しています。
盛年不重来(せいねんかさねてきたらず)
一日難再晨(いちじつふたたびあしたなりがたし)
及時當勉励(ときにおよんでまさにべんれいすべし)
歳月不待人(さいげつはひとをまたず)
若い時は二度とは来ない。一日のうちに二度の朝はない。時を逃さず精一杯頑張るべし。
歳月は人を待ってはくれない。
なんと素晴らしい名言でしょう。これは陶淵明の雑詩その1の後半ですが、私が全文を
中国語で朗誦させていただきました。
前回缶詰を四つ並べて、これは何を意味するか当ててみてくださいとクイズを出した
Oさんが「李白」のお酒を差し入れ、会場はさらに盛り上がりました。
ただし、コロナの事もあり、みなさんそれぞれ簡単な感想で終わりましたが、
本当に有益な勉強会でした。