会社の近くの三左衛門堀の柳が春風に泳いでいるというか舞っているというか暫
し足を止め、ベンチに腰を下ろして春の喜びに酔い痴れました。
春風といえば真っ先に来るのが小林一茶の「春風や牛に惹かれて善光寺」です
が、46歳にして科挙に合格した唐の孟郊の喜びの声も春風にあやかりひとしお
響きます。
「春風得意馬蹄疾/春風意を得て馬蹄疾く、一日看尽長安花/一日にして看尽くす
長安の花」
何年か前にも紹介したことがありますが、春風といえばやはり唐賀知章の
「詠柳」ですね。
「碧玉妆成一树高/碧玉の化粧一樹の高さ
万条垂下绿丝绦/万條垂下緑の絲條
不知细叶谁裁出/誰の裁断やこの細葉
二月春风似剪刀/二月の春風ハサミに似たり」
春風を自由自在に裁断できるハサミに例えるとは実に妙を得てますね。