今日は春立つ日、立春です。
昔から一日の計は朝にあり、一年の計は春にあると言われてますね。
まだまだ寒い日が続きますが、寒さの中でも大地は確実に根雪を溶かし、
万物芽吹きの準備を着実に進めています。
中国唐王朝に羅隠という詩人がいましたが、毎年の科挙試験に悉く落第しました。
70歳になってやっと合格した異例の文人ですが、立春の名句は千年以上経っても
衰えません。
京中正月七日立春 唐 羅隠
一二三四五六七/一日、ふつか、みっか、よっか、いつか、むいか、なのか
万木生芽是今日/万木(ばんぼく)芽を生ずるは是(これ)今日
遠天帰雁払雲飛/遠天の帰雁雲を払って飛び
近水遊魚逬氷出/近水遊魚(ゆうぎょ)氷を逬(とば)して出(い)ず
正月を迎え、一日、ふつか、みっか、よっか、いつか、むいか、なのか きょうは
待ちに待った、なのかの日だ
この日は立春万木(ばんぼく)は芽吹く
遠い空には北へ帰る雁(かり)が雲をうち払うように飛び去り
近くの川に泳ぐ魚はゆるんだ氷を突き破って泳ぐ
題名の「京中(けいちゅう)正月(しょうがつ)七日(なぬか)立春」は、
八六八年の正月七日のこと。この日がちょうど立春にあたった。
数字を並べただけの起句が印象的な作品。数字が順番に並んでいるだけだが、
待ちに待った立春の到来の気分がよく出ている。
今年の立春は旧暦で1月14日なりますが、1200ほど前は旧暦の1月7日でした。
立春大吉で春風、春の花を待つ心もわかりますが、もっと大事なのは
春の喜びを春の希望に変える春ごころではないでしょうか。
半人前の漢方、発酵職人・素人俳人・吟詠初心者 木元正均
清峰流の創始 吟道清峰流 (eonet.ne.jp)(私が所属している吟道清峰流猶興吟詠会HPです)