先日東京講演の時日本橋近くのホテルに泊まりました。
高速道路と高層ビルが立ち並び、昔の日本橋の風景は
見る影もありませんでした。
近くまで行かないと日本道路原点の石碑や里程標が確認できません。
ここが江戸の中心地でだったのかと思いをはせながら朝の散歩をしたものです。
思いがけずの発見がありました。
老舗の佃煮屋「日本橋 鮒佐」の店先に松尾芭蕉の
句碑が建っていました。ここは江戸時代小田原町と
呼ばれていて、1672年(寛文12年)29歳の松尾芭蕉が、
故郷である伊賀上野から江戸へとやってきて8年間住んだ場所です。
松尾芭蕉は当時「桃青」と称していて、日本橋魚市場に近い繁華街
小田原町に住み俳壇での地位を固め、1678年(延宝6年)に
俳諧宗匠として独立しました。
句碑にある「発句也松尾桃青宿の春」とは、その翌年の正月に宗匠と
しての迎春の心意気を詠み上げたものです。
講演の重圧からしばし解放された朝の散策でした。