中秋の名月を前後に3人の講話を聴きました。
魂が震え、心が洗われる感動の講話でした。
加納正一さんは高砂の荒井駅近くで串焼き忠助を切り盛りする2代目の店主です。
今は予約を入れないと席が取れないくらい繫栄していますが、その苦労話には
涙が出ました。
店が大変で子供たちも進学にかかるとき、うつ病にかかっていた奥さんが
自殺してしまい、もう生きがいをなくしてしまいます。
高校生の時から一方的に片思いをし、いったんは振られてしまいますが、その
初恋心を捨てきれず、大学に進学してからも恋心を燃やし続けます。
必ず男になってもう一度プロポーズすると心に決めたそうです。
某大学でラグビー部で体と心を鍛えに鍛えてついにキャプテンとなり、
全国大会決勝戦前には遺書まで書いて臨んだそうです。
決勝戦では惜しくも負けましたが、その銀メダルを持って帰郷し、もう一度
プロポーズしたところ受け入れてくれたとか。
その奥さんに思わぬ死に別れ方をした加納さんはいつも、必ず君を幸せに
してあげるとの約束を果たせなかった罪悪感に悩まされ、店のことはどうでも
いいと、酒溺れの毎日だったそうです。
そこに新しい希望の明かりを当ててくれたのが林工務店の林勝也社長でした。
現実を認め残された子供たちを立派に育て上げるのが、妻への約束の延長線では
ないかと林さんに諭され、再奮起したのが今の加納さんです。
2番目の講話者は姫路市倫理法人会第9代目会長の林勝也さんでした。
林工務店の2代目ですが、三木英一先生の英斎塾論語を学んだり、兵庫県産木材で
家を建てる会の会長をしたり、播州地酒を楽しむ会の会長をしたり、古今内外の
事情に詳しい博識家です。
今年のけんか祭りの桟敷に招待しましたが、屋台祭りとだんじり祭りの違いに
ついて教えてもらいました。
屋台祭りは浜辺とか地盤の緩い地域の祭りで担がないと屋台が進めないところから
だんじり祭りは地盤が固くて車輪が沈まずに進む地域から発展してきたという。
なるほどと感心したものです。
3年前に林さんが会長に新任したとき、家内と娘の3人親子講演を企画したが、
朝6時からの娘講話のモーニングセミナー参加者が100人近くなり、その記録は
いまだに破られていないそうです。
姫路倫理法人会モーニングセミナー884回の時には、エベレスト8848mにちなんで
私のエベレスト講話を、また先月のモーニングセミナー1000回の記念講演には、
夜の講演を娘が、朝の講話を私と家内が勤めました。
日本酒に詳しい林さんと一献傾けると大学授業を一か月受けるよりもっと充実した
ような内容の林さんの話に脱帽するばかりです。
3番目の講話者は、神戸住まいの村山順子さんです。
もう6回も順子さんの話を聞いていますが、何度聞いても順子さんの今を生きる
情熱に心が洗われます。
ご主人が49歳の時朝広島に出張したのに、夜急死したとの電報で新幹線も終電なのか
タクシーで広島に。その時の順子さんの心境を思うと今も涙が目に溢れます。
ご主人との別れの一週間前にご主人からもらった順子さん誕生日祝いの11行の手紙が
順子さんを悲しみのトン底から救い上げたとか。
その悲しみをばねに掃除会社を立ち上げ、手紙教室を展開し、全国47都道府県での
手紙教室講座を敢行しました。
当日金婚式を迎えた加古川の濱田さんご夫妻も出席し、会場から祝福するメッセージが
多く上がりましたが、順子さんは違う形でご主人との愛をはぐくみ金婚式を迎えました。
涙ぐましい講話でした。
ちなみに順子さんは家内と大阪の陽子さんと三姉妹の縁を組んでいるので私も
村山さんではなく順子さんと呼んでます。
この3人の講話者は、人間性に富んでいて、不屈の精神だけでなく、お思いやりの
情に深い私が尊敬してやまない人たちです。