昔日本語を習い始めた頃の笑い話です。
ヒアリングの授業ではよく日本の昔話をテープで聞きながら
その内容を勉強することをしました。今にしてみれば簡単な話ですが、
当時は聞き取れなくて難しくて大変でした。
昔、権助が親類の家に遊びに行きました。朝近所の人に
「今日は大層寒いですね」とあいさつされましたが、何を言ったらいいか
分からず、そのまま家に入ってきました。親類の人が「人があいさつをするのに
何も言わないのは失礼だ。そういう時には、(そうですね。山は雪でしょうね)と
答えなさい」と教えました。
ところが次の日は打って変わって暖かい日になりました。
近所の人に「今日は大層暖かいですね」と言われ、
権助はあわてて「そうですね。山は火事でしょうね」と答えたとか。
昨日は山崎文化大学で講演させていただきました。
400人ほどの参加者を前にあっという間の90分でした。
姫路とはちがって山崎は道端に雪が結構残っていました。
山は雪に覆われているし、ちらちらと落ちてくる雪をワイパーで拭きながら、
権助の話を思い出し、一人で笑ってしまいました。
この先冬将軍がいましばらく居座り続けるそうですが、
「冬来たりなば春遠からじ」です。