昨日は春分の日でした。
暑さ寒さも彼岸までとよく言われますが、私が子供の頃よく母に
「春秋昼夜平等」と聞かされました。
北国の故郷では春分になっても寒い日が続きます。
でも長かった冬の夜もようやく昼の長さと同じくなり、待ち遠しかった春も
目の前です。
日本の冬はそれほど寒くありませんが、それでも年配の方、病弱な方には
結構堪えます。若い人でも冷え性の方は辛い冬ですね。
私も昔は夏より冬の方が好きでしたが、還暦を過ぎると冬がだんだん苦手に
なりました。
春の気配は立春を過ぎると少しずつ感じるようになりますが、春分になると
一気に色濃くなりますね。家から会社までの散歩道の三左衛門濠の桜はピンク色を
帯びてきました。枝垂れ桜はもう咲き始めました。モクレンは満開です。
垣根の水仙や、菜園のえんどう豆の花、雪柳などあちらこちらで小さな春を見つける
事ができます。柳野葉っぱは言うまでもなくいろんな木々が若葉を吐き出しました。
鳥のさえずりも活発になり、春の喜びが体中から湧き出るのを禁じえません。
「不知緑叶誰裁出/だれがこの初々しい緑の葉を裁断しただろうか
二月春風似剪刀/二月の春風は正にハサミに似ているよ」
唐時代の詩人賀智章(659~744)の名句のように、春風は名工のように巧みに
草花や木々をアレンジしてくれます。
後一週間もすれば桜の開花を皮切りに春爛漫のシーズンがスタートします。
「春よ来い」が「春が来た」に変わる、「期待」が「現実」に変わる
自然の喜びの人間の喜悦を思う存分味わってみようじゃありませんか。