朝散歩をしているといつもの浜手公園にドングリがたくさん
落ちていました。
誰も拾う人がいなく、リスもいないかそのままほったらかされていました。
「母がいたらなあ」と家内がつぶやきました。
義母は延べ6年ほど姫路に住んでいましたが、春にはタンポポや水セリを
取ってきてはおいしい料理を作ってくれました。秋には必ずドングリを
沢山拾ってきて、ドングリ豆腐というかドングリこんにゅくというか
おいしいどんぐり料理を作ってくれました。
昔私が子供の時は食べ物がなくて、秋から冬にかけてはドングリが
大活躍しました。山奥にまで入ってドングリを拾いますが、姫路で見るような
大きな粒のドングリはめったになく、それも山のリスに先取られてあまりなかったです。
子供の時はよく山の畑に行って、ネズミの穴洞を掘りました。
ネズミが越冬のために貯蔵した豆やトウモロコシが狙いです。
それがその日に限って一日まわっても空振りばかりで収穫がゼロでした。
このままでは家に帰れないと必死にネズミの穴洞を探し回りました。
ついにひとつ当てましたが、ねらっていた豆は出ず、ドングリが
これもかこれもかと出てきました。
今日はついてないなあとあきらめて家に帰ったら、母が大変喜んでくれました。
このドングリなら2,3日は大丈夫だと、ご苦労さんだったと褒めてくれました。
この奇跡のドングリに出逢わなかったら母がどれだけがっかりしたかを思うと
今もドングリには特別な感情をもっています。
子供の時はそのどんぐり料理がおいしくなくていやいやしながら食べましたが、
今はりっぱな天然健康食品になって、中国の故郷でも結構高い値で取引されて
いるようです。