昨日芦屋に行ってきました。
長年大手家電メーカーの欧米営業を担当し、20年ほど前に創業された
Nさんから次の面白い話を聞きました。
むかし、ある男がえんま大王様に会いに行き、天国と地獄というのは、
どういう世界なのかを聞きました。
すると、えんま大王様は、男に、天国のようすと地獄のようすをそれぞれ
見せてくれました。
まず地獄では、ちょうど食事の時間だったので、人々が、ながーい箸を持って
大きな鍋の前に集まっていました。
この地獄では、ながーい箸食事をしなければならない決まりなのです。
人々は ながーい箸で、鍋の中のごちそうをとって食べようとするのですが、
あまりにながーいので、どうしても自分の口にごちそうが届きません。
それでみんな、何も食べられずおなかをすかせ、痩せこけて、他の人の食べ物を
横取りしようとして けんかばかりしていました。
えんま様は、次に天国を見せてくれました。
天国も食事の時間でしたので、人々は、地獄のと同じ、ながーい箸をもって、
地獄のと同じ、大きいなべの前に 集まっていました。
天国でも、ながーい箸で食事をしなければならない決まりなのです。
天国の人々は、おだやかな顔をして楽しそうにごちそうを食べていました。
ながーい箸で、お互いに仲良く、食べ物を取って相手の口へ運びます。
他の人とごちそうを分けあっているのです。
こうして地獄にいる人々は 自分のことばかり考えているために、いつまでも
けんかをして何も食べられず、天国の人々は おたがいを思いやっているので
仲良く暮らせるのだ、とえんま大王様が教えてくれました。