福岡では佐賀県との境にある金山を登りました。
九州100名山で福岡にも近く人気の山で、登山ルートも多いですが、私たちは
森林浴に富んでいる花乱の滝コースを登りました。
鎖や梯子を使う場所はないですが、アップダウンが多く体力消耗の激しい山でした。
山頂では別のルートから登ってきた親子に出会い、小6の息子さんと仲良しになりました。
福岡では太宰府天満宮に参拝し学問の神様藤原実篤翁に手を合わせました。
梅の花は季節的に無理でしたが、藤原翁の一句を口遊みました。
東風吹かば匂いおこせよ梅の花 主なしとで春な忘れそ
博多空港近くで友人の大島修治さんが一時間列に並んで15分で食べ終わる新博多名物
ひらお天ぷら定食をごちそうしてくれました。
大島さんは「人生、逃げたらあかん」を書いた名物社長です。
貧しい家に生まれた大島さんは泥を嘗めるような生活から、必ず金持ちになって
周りを見返してやるの一念で、手段を構わず儲かる事業に手を出しました。
パチンコ、闇金融業で会社も年商70億の会社に成長しましたが、敵もたくさん作る
ことになり、ある日エアコンクリーニングを装ったやくざの人にガソリンをまかれ
火をつけられ大やけどを負いました。
奇跡的に一命を取り留めた大島さんは、人生お金がすべてではないことに気づき、
新しい人生の道を歩み始めました。
今は太志塾という社長塾を主宰しながら、北海道から沖縄まで講演の多忙の毎日です。
15年前私が小倉で先般亡くなられた神渡良平先生主宰の志帥塾で講演しましたが、
奇しくもその時大島さんが私の講演を聞き感動したとすぐ自分が主宰する太志塾
講師に呼んでくれました。
大島さんからは直筆の文字を彫刻したワイングラスをペアでプレゼントされましたが、
恥ずかしいというか残念というか聖花グラスを割ってしまい正均グラスだけとなりました。
右手左手の指をやけどで失い、右足の親指を右手に移植した手で書いた大島さんの字には
愛情がたっぷりあふれています。
毎日てんてこ舞いの大島さんが私たちのために1時間も列に並んだことを思うと
久しぶりの再会の喜びと感謝で胸がいっぱいになりました。
山あり温泉あり史跡あり友人ありの一席四鳥の実り豊かな九州北部の旅でした。
おわり。