標高7800mから上の世界はデッスゾーンと言って
命の進入を許さない世界です。
エベレストはデッスゾーンからさらに1050mも高いところにあります。
この地球上の最高の頂を目指す人はみんな立派な勇士だと思います。
命懸けの勇気なしにはとてもチャレンジできる山ではありません。
エベレスト挑戦にもう一つ大事なのは謙虚で敬虔な姿勢だと思います。
8000m以上の世界は人間の世界とは違う神の世界だと思います。
この神聖な領域を犯させて頂くのだから常に祈りの心を忘れてはなりません。
山を何十年もやったから必ず登頂できるとは限りません。
登頂したら登頂のしるしにおしっこをして下りるといったチームメイトのKさんが
登頂どころか7500mで高山病にかかり、一命は取り留めたものの
植物人間になりました。
5300mのベースキャンプで苦しんでいる私を見て、こんなレベルで
エベレストに来たか言っていた山男たちは8750mで後100mを
残して涙を飲みました。
チームメイトのSさんは不整脈で何度も登頂をあきらめようとしましたが、
ガイドさんとチームメイトに励まされ奇跡的に登頂を果たせました。
Sさんの新聞記事には「エベレスト登頂には一に敬虔な心、二にも
敬虔な心です」と書いてありました。
写真は関空で無事生還を喜び合って手をつないで歩くのを吉中静子さんが
見事に撮ってくれたものです。
天頂の 雪に輝く その英姿 ただかしこみて 拝み申さん⇒吉中静子