11月14日は68年ぶりお月様が最も地球に接近する日で
スーパームーンの大騒ぎとなりましたが、私が住んでいる
姫路市はあいにくの雨で月のかけらすら見れませんでした。
でも昨日の15日は雲の合間から大きなお月様が顔をのぞかせてくれました。
中国では、お月様は昔から美の象徴であり、遠く離れた故郷や、愛する人へも
切実な思いを寄せていました。
李白、杜甫など文人墨客が多くの月の名句を残していますが、
私は特に蘇東坡の「水調歌头」が好きです。
明月幾時有 明月幾時よりか有る
把酒問青天 酒を把って青天に問ふ
・・・ ・・・
人有悲歡離合 人に悲歡離合有り
月有陰晴圓缺 月に陰晴圓缺有り
此事古難全 此の事古より全くなり難し
但願人長久 但だ願はくは人長久に
千里共嬋娟 千里嬋娟を共にせんことを
(人には悲歡離合があり、月には陰晴圓缺がある、
古からこのことを完全な形に保つのは難しい、
ただ人がとこしえに、千里の距離を離れていても、
この月の輝きを共に眺めることを願うのみだ)
日本には「つきが回る」という言葉がありますが、
「運が付いてくる」「ラッキーになる」「幸運に恵まれる」
の意味を表すことからお月様は幸運につながるようです。
エベレスト山頂にかかるお月様の加護で私は無事にエベレストから
生還したかもしれません。
妻鹿の事務所から今の事務所に移転したとき、姫路城写真家の
故北村泰生さんがお祝いとして自分の作品の中から好きなものを
一つ選びなさいといってくれました。
私は躊躇なく姫路城とお月様共演の写真を選びました。
平成の大改修を経て姫路城は新しく衣変わりしましたが、
北村さんの形見であるこの暖かい一枚が未だに好きでなりません。