「神の子」と呼ばれた山本KID徳郁さんが昨日41歳で亡くなりました。
163cmの小柄でありながら、その故にKIDという愛称がついたと思いますが、
総合格闘技K-1の世界王者になったりして世間を驚かしたり、また世間から
愛されていました。
私は別に彼のファンではなかったですが、あることがきっかけで彼を応援するようになりました。
それは今から6年前のことでした。
「4月12日の終電間近、多くの人でごった返す東京・都営浅草線五反田駅構内の線路に、
老齢の男性がホームから転落した。落ちた男性は、額から大量の血を流し、ぴくりともしない。
しかし、その場にいた誰もがいつ来るかわからない電車に怯え、何もできずにいた。
そこへ割ってはいってきたひとりの男性──人気格闘家の山本“KID”徳郁(35才)だった。
素早い動きで、線路に飛び降りると、男性を抱え上げようとした」
この新聞記事を読んで娘が「我が家の父はスーパーヒーロー」のブログを書きました。
それは私が東京駅で線路に落ちた若い女性を助けたということですが、まさに
その場にいつ来るかわからない電車におびえみんなが何もできずにいました。
そこへ私が線路に飛び降りてその女性を救出したのですが、救出した後私は名前も
携帯番号も教えずにその場を去りました。
娘は「プロの格闘技家の山本さんさえ、その男性を抱え上げようとしたら重たくて
たいへんだったというのに、小柄の我が家の父のことを思うと胸がぎゅっと
痛くなりました。」と書きながら、いざという時に何の躊躇もなく人の命を助ける
ために線路に飛び降りる父を「スーパーヒーロー」に称えてくれました。
線路に飛び降りる山本KIDさんが自分の当時の姿と重なり、その後は山本さんを
応援するようになりました。
そんな山本さんが8月にがんの宣告をしてから41歳の若さでこの世を去りました。
しかし、小さな体でありながら大きな選手に果敢に立ち向かう山本KIDさんの
雄姿は永遠に人々の心に残ることでしょう。
ご冥福を祈念申し上げます。