私はこれまでに2度お金の誘惑に負けたことがあります。
必ずしも拝金主義ではなかったですが、お金を取るか
夢を取るかでお金に負けたことは事実です。
一回目は、今から38年前の1976年(昭和51年)でした。
3年間の農村生活で、夢の大学切符が手が届くところまで来ていました。
その時、私は市の幹部に抜擢され、月給36人民元を言われました。
当時我が家は沢山の借金を抱えており、20年近く現金収入がありませんでした。
0.08元の切手が買えなかった時代に、36元は大金でした。
結局私は大学ではなく、月給36元の幹部の道を選びました。
選んだというより、選ばされたといった方が現実に近いです。
最初の給料を母に持って行った時の、母の笑顔は今もはっきり覚えています。
二回目は、今から21年前の1992年(平成4年)の時です。
博士の道を取るか、月給35万円の就職の道を取るかずいぶん迷いました。
中国から日本に来てまもなく、キュウリ二本198円が高すぎで
とうとう買わずに家に戻った時でした。
博士への夢はゆるぎないものと確信していましたが、月給35万円と
副校長の誘惑には勝てませんでした。
大学のクラスメートが何人も日本の大学で博士号を取り、現在大学教授として
活躍しています。誇りに思いながらうらやましい心が無きにしも非ずです。
しかし、二度もお金の誘惑に負けたことを後悔したことはありません。
その二回の負けのおかげで、今日の私、、今日の家族、今日の知人、友人が
あるからです。