蝉時雨がピタッと止まり、気が付くと銀杏の葉も気色めいてきました。

中庭の銀木犀からの蝉の大合唱にはかなり閉口していましたが、よく考えてみれば、

蝉時雨も蝉たちの今を一生懸命に生きる命の謳歌であるのではないでしょうか。

昔北海道から九州までの山登りに出かけたら、よくバイクに乗って格好よくつづら折れ

をターンしていくバイク軍団に出会い、道を譲りながらなんて迷惑なんだと思いましたが

近年は彼らバイク軍団も私が山登りをするのと同じく、山道の急カーブを走ったりする

ことで生きる喜びを謳歌し、今日を、今を一生懸命に生きているんだと彼らに敬意を

払いたく、微笑みで見送ったり、親指を立てて応援したりするようになりました。

蝉に喜びがあるかどうかは分かりようがありませんが、蝉時雨は蝉たちが一生懸命に

生きている証であることには相違ないと思います。

バイク軍団の皆さんが九十九折れのカーブを上り下りすることは私が散々汗をかきな

がら、たまには生死の合間をくくりぬけながら山頂に立った時の達成感と喜びに匹敵す

る或いはそれ以上の喜悦に満ちているかもしれません。

庭のセミの鳴き声に耳を澄ましながら、過ぎゆく季節の流れを肌で感じた朝でした。