初心忘るべからずの意味は、みんな知っていると思いますが、

今から600年ほど前に能を大成した世阿弥の名言であることを

知っている人は少ないかもしれません。

私たちは、世阿弥の言葉の最初の一行だけを強調していますが、

還暦をすぎると、やはり後の二行も気になってなりません。

「是非の初心忘るべからず、時時の初心忘るべからず、老後の初心忘るべからず」

これまでは、若い時の志というか、こんな人間になりたいというかを目標に

がむしゃらに走ってきたような気がしますが、その時その時の志もありましたし、

まだ老後とは言えませんが、今から新しい志を立ててもおかしくないような気がします。

昨日山口の岩国から老夫妻がお見えになり、奥様のお母様は広島原爆でご主人と

長男を失いましたが、娘二人を立派に育てました。

それも原爆で義父がなくなり、目が不自由な義母をお世話しながらです。

104歳で大往生されましたが、世の鏡になるようなお母様です。

胎内被爆された妹さんも一緒に来られましたが、お母様の話と親孝行の

話になると目が潤んでいました。つづく。