漢方で心も体も穏やかに。漢方コラム(3)
【東洋医学を正しく知って不調改善】
今回は、東洋医学における「未病」への考え方と、「未病」→「病気」になる原因についてお話します。
1.東洋医学の未病への考え方
西洋医学と東洋医学(漢方医学)の大きな違いは、東洋医学(漢方医学)は病名がつかない「不調」「未病」にもアプローチすることです。
漢方では体の小さな不調は体全体のバランスの乱れから来るものとされ、根本からの改善を目指します。
「未病」とは肩こりや肌荒れ、便秘、不眠、冷えといった、発病には至らないものの軽い症状がある状態のこと。
初期段階で不調の原因をみつけ、病気を予防するというか考えが漢方の大きな特徴です。
「未病を治す」のが漢方治療、漢方養生の重要な目的です。
2.「未病」から病気になる原因は?
季節の変化による邪気(外邪)が体に侵入して不調を起こす。
外的原因としてまず考えられるのは季節変化による邪気です。
・春は風邪による花粉症
・梅雨は湿邪によるむくみ、胃腸機能の低下
・夏は熱邪(暑邪)による熱中症
・秋は燥邪による咳、肺炎
・冬は寒邪による風邪
などがあります。
病気を引き起こす季節の邪気以外では、インフルエンザの流行、加齢なども考えられます。
しかし、季節の邪気の侵入をうけて体調を崩す人がいれば、季節の邪気の影響を受けずいつも元気でいられる人もいます。
コロナウイルス、インフルエンザが流行ってもかかる人とかからない人、かかったら重症化する人と軽症で済む人がいます。年齢を重ねてだんだん体が弱まり寝たきりになってしまう人もいれば、80台の方でも90台の方でも元気で暮らす人もいます。なぜですか。
それは個人個人で病気に対する抵抗力、つまり免疫力が違うからです。