去る9月18日姫路キャッスルホテルで姫路木鶏クラブ35周年記念大会が
開催されました。
「働き方改革の温故知新」と題して、元神戸製鋼加古川製鉄所所長、姫路
木鶏クラブ創設メンバーでもある堀隆一氏が記念講演をしました。
神話時代の日本から聖徳太子、仏教と勤労の関連、上杉鷹山、二宮尊徳の
勤労観を例にしながら、西洋と日本の勤労観の違い、世界第2の経済大国から
一人当たりのGDP と平均給料が韓国に抜かれた日本の現状を鋭く説きました。
堀さんの古今内外の博識と説得力に富んだ講演に頭が下がりました。
アメリカのケネディ大統領が日本人の中で一番尊敬しているのは上杉鷹山だと
言っていたことは知っていましたが、なぜ上杉鷹山だったかは今回堀さんの
講演で初めて知りました。
上杉鷹山といえば「為せば成る為さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり」
が有名ですが、私もこの言葉にどれだけ励まされたか知りません。
15年ほど前家内と山形を旅して米沢市内を車で走っていたら、
「上杉家廟所右折」の看板があり、行ってみたら本当に上杉家のお墓がありました。
正直「為せば成る」は知っていましたが、それが上杉鷹山の言葉とはありませんでした。
それ以前上杉鷹山がどんな人か、上杉謙信との関連すら知りませんでした。
ただ昔本で読んだ川中島合戦で武田信玄が上杉謙信に送った一句の伝説で上杉謙信が
好きになり、越後の謙信がなぜ米沢にと素朴な疑問に誘われただけでした。
杉枯れて 竹たぐひなき 明日かな⇒武田信玄
杉は枯れてしまって竹(武)は類なき(繁盛する)明日かなという意味で、必ず上杉謙信を
滅ぼす武田信玄の強い意志でしょうか。
この句を読んだ謙信は文字は変えずに濁点を施すだけで信玄に返したそうです。
杉枯れで 竹たくびなき 明日かな⇒上杉謙信
杉は枯れないで 竹たくびなき(武田首なき)明日かなの逆の意味になって、謙信は
滅ばずに信玄が滅亡するとの謙信の皮肉かもしれません。
上記のような縁で「為せば成る」の作者が分かった時の感動は今も鮮明に覚えています。
堀さんの講演で「為せば成る」の意味が重みを増してきたような気がしました。
堀さんが紹介した上杉鷹山の言葉です。
働き一両 考え五両 知恵借りて十両 コツ知り五十両
ひらめき百両 人知り三百両 歴史に学ぶ五百両 見切り千両 無欲万両
素晴らしいですね。
半人前の発酵職人・素人俳人・吟詠初心者 木元正均
清峰流の創始 吟道清峰流 (eonet.ne.jp)(私が所属している吟道清峰流猶興吟詠会HPです)