流れゆく夏を惜しむかのように、朝早くから蝉の大合唱が始まります。
日本の夏の風物詩の一つですね。
蝉といえば短命でうるさいというマイナスイメージが大きいですが、実は蝉は
土の中で7年の幼虫期を過ごしますので昆虫類では長寿な方であり、桜のような
人生短く太くの華やかなイメージではありませんが、やはり人生短く太くを
地味に表しています。
中国では蝉が“復活”や“再生”“永遠の美”の象徴となっており、日本の儚いイメージとは
真逆の印象を持たれています。何度も繰り返す脱皮に注目をすれば、中国が持っている
蝉のイメージにも頷けます。確かに、蝉のパワフルな鳴き声は、暑い夏に負けない強さや、
凛とした美しさを感じるところもありますね。縁起物として蝉のグッズが売られているのを
見れば幸せの象徴であることもうかがえます。
蝉といえば、松尾芭蕉の「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」が有名ですが、今洪水で大変な
最上川を詠んだ句も有名です。
「五月雨を 集めてはやし 最上川」「暑き日を 海にいれたり 最上川」
特に酷暑を海に持って行ってくれる最上川、読むだけでも涼しくなりますね。
そんな芭蕉のお墓を訪ねて大津の義仲寺を訪れましたが、あいにくの休館日でした。
実は去る8月1日クラスメートで守山に住んでいる中国万葉研究第一人者の佟さんの
マンションを訪ねました。
最上階にあるマンションのベランダからは東に近江富士の三上山、西に琵琶湖が一望できる
素晴らしいロケで、もう一人、名古屋から駆け付けた一年後輩の中国俳句研究第一人者王さんと
一献傾けました。佟さんが中国から持ってきた中国8大銘酒「郎酒」/アルコール度数53度を
ストレートで乾杯!
佟さんと王さんは義仲寺にある芭蕉のお墓を何度も訪ねていますが、私はまだ行ってないので
酒の勢いを借りて、義仲寺を案内してくれと強引に二人を引っ張り出しました。(続く)
半人前の発酵職人・素人俳人・吟詠初心者 木元正均
https://www.eonet.ne.jp/~gin(私が所属している吟道清峰流猶興吟詠会HPです)