親の七光りとは、簡単に言えば親の恩恵を悉く受けていることで
よく言われる地盤看板カバンの世襲政治家に代表されるように
あまり良いイメージではありません。
しかし、仏法の「親の光は七とこ照らす」から見れば、親の恩恵は
隅々まで行き届いているというありがたいイメージで、今日私が語る
「親の七光り」は、命をもって息子の進むべき道を教えてくれた感動の
物語です。
マルセイがお世話になっているアビックス駅南大路ビルの6階に一昨年
一般社団法人令和人間塾・人間学lab.が創設されました。
安岡教学や伊與田教学などを通じて人間学を勉強し人間力を高める趣旨の
勉強広場ですが、今日の主人公はその理事長の竹中栄二さんです。
大手化学会社に就職し年齢も三十路に入ったごろ、人間とは、生きるとはと
自分に問い続けたもののその答えが見つからず、彷徨していたそうです。
そのある日、突然電話がかかりお父様が交通事故で大阪の病院に緊急搬入
されたそうです。お父様の意識が戻らず最初の内はいろんなことでてんてこ
舞いの状態でしたが、時間が経つにつれて病院の近くて食事をとったりする
ようになったとか。
そのある日、病院近くの一軒小さな古本屋で偶然目に入ったのが安岡正篤先生の
「活眼活用」だったそうです。お父様の病床のそばで読み始め、のめり込んで
しまった結果、今の安岡教学、伊與田教学の勉強に繋がったそうです。
特に易学に研鑽を深め、長く伊與田師事してきましたので論語の造詣も深いです。
その後竹中さんのお父様は植物人間の状態のまま帰らぬ人となりましたが、
お父様は自分の命をもって竹中さんに安岡先生との縁をつないでくれました。
安岡先生は陽明学を基本にしていましたので、竹中さんは8年余りの中国駐在時代に
王陽明、孔子、孟子など中国古典ゆかりの地を隈なく訪れ、勉学を充実にしました。
竹中さんは人間学だけでなく、ワインやグルメなどにも詳しく、安岡先生のように
酒量も底なしと聞いていますので、一回ゆっくり一献傾けながらいろんなお話を
伺いたいと思っています。