今日は4月1日、姫路城と桜の競演が見ごろを迎えました。
4月1日といえば、エイプリルフールですね。
恋のウソ、仕事のウソ、世間のウソ、親子のウソといろいろとあるでしょうが、
笑いを誘うかわいいものもあれば、涙を誘う感動的なものもありますね。
エイプリルフールではありませんが、私が小さかった子供の頃、母はいつも
私たちに「母ちゃんは先に食べたからあなたたち食べなさい」うそを言っていました。
食糧難で食べ物がなかった時代、母は私たちに少しでも多く食べさせるため、自分は
朝飯を抜きにしながら、母ちゃんは先にたべたよと口癖のように言っていました。
山の畑に行って雪をかき分けながら落ちたトウモロコシや豆の粒を拾ってくる母の
手や足のかかとはあかぎれだらけです。
炎症を防ぐためそこに生味噌をすりこむ母の表情は今も忘れることができません。
大きくなったら母ちゃんを楽にしてあげたい、この一心で中国の浮き沈みの激しい
文化大革命時代を必死で踏ん張ってきたと思います。
母ちゃんは先に食べたからという母のウソに応えるために、日本語が堪能だった母を
日本に呼んで、中国の母たちが体験できない幸せと喜びをプレゼントしようと家内と
全力を挙げて努力しましたが、私たちの夢はかなうことなく、母は急性脳出血で倒れ
天国に召されました。
母がいらっしゃる天国に一番近いエベレスト山頂で「お母さん、生んでくれてありがとう!」
を叫んだ私の原点は、母の「母ちゃんは先に食べたから」のウソにありかもしれません。
エイプリルフールの感想を書いてみました。