海到無邊天作岸·/海尽きるところ天岸を為し
山登絕頂我為峰/山絶頂のところ我峰を為す
清王朝林則徐さん少年時代の名句です。
正確に言えば、先生が生徒たちを連れて近くの山に登り、果てしない海を
見渡しながら「海到無邊天作岸·/海尽きるところ天岸を為し」と命題し、
生徒たちに下に続く句を詠みなさいと言ったところ、林則徐少年がさっそく
「山登絕頂我為峰/山絶頂のところ我峰を為す」と詠んだというから
感心せざるをえません。
連休中は雪山も思う存分堪能しましたが、里山を歩きながら海も思う存分
堪能しました。
海を見下ろしながら山歩きをしたら結構心も足も会話も弾みますね。
日本は山頂から海の眺望がすばらしい山が多いですので、四季折々、またその日の
天候によりみなさんそれぞれ思い出に残る海の眺望を体験したと思います。
富士山から伊豆半島を挟んで太平洋への眺望も、礼文島から海を挟んで利尻岳への
眺望も素晴らしかったですが、私の登山歴で一番鮮烈に残っているのは、鹿児島開聞岳からの
種子島、屋久島を遠くに果てしなく続く太平洋の海でした。あまりの恍惚と感動に暫し足が
止まってしまい、その日のうちに登らなければならない霧島山への移動を忘れるほどでした。
里山から海の眺望は上記のような雄大さはありませんが、懐かしい故郷への思いを引き起こす
優しさと親しさがありました。不思議といえば不思議ですが、里山も里海も古里に通じる
ものがありますね。
古里といえばやっぱり親兄弟ですね。
無季語にはなりませんが、
高山や海より深き親の恩⇒正均
で山より高く海より深い父母の恩を讃えます。。