今日は24節気中の穀雨です。
穀雨とは雨降って百穀が生えるとのことで、本格的な種まきや苗植えが始まります。
この時期の雨は「春雨貴如油/春の雨は油のように貴重である」のように値千金です。
そういえば、先日から何度も雨が降りましたね。
私を含め雨に無頓着な生活をされている人も多いかと思いますが、昔村衆のみんなが
集まり何日も雨ごいをしたことが思い出されます。
雨ごいにこたえて雨が降るときもありましたが、いくら祈っても降ってくれなかった
年が多く、蒔いた種が枯れてしまうとその年は半分飢えを覚悟しなければなりません。
このように穀雨の雨は山村に生きる人々の命綱でもありました。
間違ったものでもみんなが長年使えば正しいものになると昨日のブログで書きましたが、
皆さんまさかそんなはずがと思うかもしれませんね。でも確かにあります。
例えば、海外に物を売ったり海外から物を買ったりするのを「輸出・輸入」と言いますね。
その「輸出・輸入」の発音ですが「ゆしゅつ・ゆにゅう」です。
みなさんが当たり前に使っているこの発音実は間違いなんです。どこが間違っているかといえば
本当の正しい発音は「すしゅつ・すにゅう」でなければなりません。
漢字の「輸」の中国語の発音は「shu」ですから、日本語の音読みは「す」になりますが、
「輸」の右の「兪」は「ゆ」と読みますので、「棟」は「とう」「沁」は「しん」ですから
「輸」は「ゆ」だろうと思い込んで始まったのが「輸出・輸入」「ゆしゅつ・ゆにゅう」。
今になってこの間違いを正そうとしてももう無理でしょう。
「消耗」は「しょうもう」と発音しますが、「消耗」の中国語の発音は「xiaohao」ですので
正しい日本語の発音は「しょうこう」になるはずです。
漢字といえば「徳・圧・器・海・収・突」は「德,压,器,海,收,突」の略字ではなく誤字ですが
それが今は正々堂々な顔になっています。
上記のような異論を唱えたって何にもなりませんが、面白半分で、世の中にも同じようなことが
たくさん起こりうるから、理屈的には正しくても人情的に欠けていれば、或いはその逆の人情的には
通したくても理屈にかけていたりする時が多々あると思います。
「智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。とにかく人の世は住みにくい」
夏目漱石の「草枕」の冒頭文です。