天行健⇒天の道⇒宇宙、自然の哲理と営み⇒天馬
地勢坤⇒地の理⇒地球、人間の働きと道徳⇒神牛
漠然ではありますが、道徳経を書いたばかりの老子は馬に乗って西の国に
行くのではなく、牛に乗っていったと言われています。
日本の学問の神様藤原道真翁と天満宮と牛との逸話もいろいろありますが、
やはり馬は天に通じるもので、自然の営みに遅れたり逆らったりしないためには
たゆまない努力と勉強が必要で;
牛は地に通じるもので、私利私欲を追求するのではなく「上善如水/上善水の如く」の
ように万民のために常に徳を磨くことが大事だと教えています。
若いときには「自強不息」でもって、どんなに大変な逆境に見舞わされても
前に向かってまい進してきたつもりですが、還暦を過ぎるとその勢いが
だんだん弱まってまいりました。
今は「厚徳載物」をもって、牛ののろい足ではありますが、登山のようにゆっくりと
山頂を目指しています。
「黄牛自知夕陽近、不加鞭自奔蹄/黄牛は夕暮れが迫っているのを自ら知っているので
鞭を揚げなくても自分から足を急いでいる」これが今の心境でしょうか。
今播州地域の里山は紅葉が真っ盛りですが、
「霜葉紅於二月花/霜葉は二月の花よりも紅なり」気概は失っていません。