登鸛鵲楼
白日依山尽 黄河入海流
欲窮千里目 更上一層楼
唐時代の詩人王之涣の傑作です。
白日山に依って尽き 黄河海に入って流る
千里の目を窮めんと欲し 更に上る一層の楼
当時の女帝武則天がこの詩を読んで感動してしまい
側近に誰の詩かと尋ねたところ、側近がうそを言い、
自分の友人の名前を言いました。
武則天はすぐその人に重賞を与え、高い官職を与えました。
肝心の王之涣本人はちょうど左遷の果てに職を失い、
亡くなるまで転々と放浪の生活を続けるはめになりました。
特に最後の二句
欲窮千里目 更上一層楼
は、常に高い目標をもって努力をすれば夢は必ず叶いますよという
意味で多くの人々を鼓舞してきた万古の名句です。
江沢民がヨーロッパでこの詩を朗吟したとか、温家宝総理が日本訪問時
この詩を揮毫したとか、習近平主席が朴槿恵元大統領にこの詩の絵画を
プレゼントしたとかで今も話題が絶えません。
一介の凡人である私も若かりしときより、この詩が大好きで
娘が言葉をしゃべりだすようになったとき、一番最初に教えました。
今詩吟教室で来年の課題吟を決めてもらいますが、私は自分から
進んでこの詩を選びました。
昨日の朝城崎の円山川の入り江に立ち、日本海に向かって
この詩を吟詠しました。
白日依山尽 黄河入海流の迫力と気勢はありませんが、
円山川を黄河に、日本海を黄海にみなして声高らかに
吟じさせていただきました。