今日はオウム真理教による地下鉄サリン事件20周年の日です。
死者12人、負傷者5500人を出した日本前代未聞のテロ殺人事件です。
今のイスラム国より勝るとも劣らぬテロ殺人事件です。
17年前の1998年11月アメリカのバットンルージュ市にいたとき、私は東南アジア系の
教会に行ったことがあります。Rさんという牧師さんの説教がありましたが、
話しの中で、中国の一人の若い女性が再婚の邪魔になる5歳の息子を線路に突き落とす
例を挙げて「中国は今残忍極まりない国で、人間の住むところではない」と
言いました。説教の途中でしたが、私は手を挙げて「牧師さんは中国に行ったことがありますか」
質問しました。会場の視線がいっぺんに私に集まりました。
「ありません」と牧師さんが答えました。私は続けました。「私は日本から来ましたが、3年前に
オウム真理教による地下鉄サリン事件がありました。12人が殺され、5500人以上が負傷しました。
でも、いまだに私は日本は世界で一番安全な国だと信じて疑いません。中国の一女性の例で
中国全体を同じく見るのはいかがものですか。聖書の教えとは到底思えません。私は退場します。」
私は高ぶる気持ちを抑えながら教会を後にしました。
「群盲撫象図/群盲象を評す」のように、物事の一面だけをとらえて判断するのは大変危険だと
思います。地下鉄サリン事件のようなことが二度と起きないようにするのも大事ですが、
一つの極端的な事件でもってすべてを否定しないようにする心も大事ではないでしょうか。