マザーテレサさんは言いました。
「大切なことは、人間として尊厳をもつことです。体が飢えるよりも、心や愛の飢えの方が重病です」。
その後父は何回も連れ去られては同じ虐待を受けました。
家の中も徹底的調べられました。
天上に隠していた聖書と関連書籍、そして母の貴重な昔の写真などが全部持っていかれ、焼かれました。
その後、文化大革命の矛先は宗教から権力者に向かい、父は一服するまでになりました。
しかし、父はまるで別人のようにすっかり変わりました。
一日何も言わないと思ったら急にわめき出したり、泣き出したりしました。
五十数年を正直一筋に生きてきた父にとっては、
長老をやっただけで謂れのない「反逆罪」の非難を受けるのはあまりにもむごいことでした。
酒も飲むようになりました。
この精神的な鬱憤に加え、一家の主としてすべての負担を
母に負わせなければならない苦痛が父の心を焦がしつくしていきました。(つづく)