誰かが言いました。
「試練は神様の愛だ」と。
姉たちの記憶によれば、私は生後6ヶ月たっても
頭も上げられなかったそうです。
病弱でよく熱を出していました。
父がいつも「毒を抜いて熱を下げる」と言って
尖った茶碗のかけらを箸先に縛り付けたもので
私の顎を突っつきました。黒い血がたくさん出て、
怖くて仕方がなかったですが、父の方がもっと怖かったので
泣きながらこらえました。
もっと怖いのは、都会で漢方医をしている叔父が
家に来たら、必ず10本の指先の爪の下に針を刺します。
痛くてたまりませんが、父が怖くて歯を食い縛って我慢していました。
2歳位の時でほかのことはあまり覚えていませんが、
このこわ~いことだけは今もはっきり覚えています。(つづく)