上京の際久しぶりに上野公園入り口の不忍池を散策しました。
西郷隆盛翁に手を合わせ、王仁博士碑に深くお辞儀をしました。
王仁博士は朝鮮半島から4世紀末に来日し、初めて日本で論語と千字文を広めました。
古事記、日本書紀によると、応神天皇の招請により論語と千字文を携えて渡来し、皇太子の
師匠となり、忠信孝悌を教えたそうです。
王仁博士は孔子と比肩され、日本の飛鳥文化を花咲かせた学者として拝められてられていますが、
今は大勢の人が王仁博士の側を無関心に通り過ぎるさびしい現状です。
最後は正岡子規記念球場にしばし足を止めました。
正岡子規といえば、「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」など俳句で有名ですが、
アメリカのベースボールを初めて「野球」にした名付け親です。
何年か前に愛媛県の東温市でエベレスト講演をしたとき、友人が坊ちゃん劇場で
上演されていた「子規と坊ちゃん」を招待してくれました。
病弱な子規が漱石のお金を巧みに借用する捧腹絶倒の演劇ですが、あんな弱弱しい
子規がほかのスポーツは何一つできないのに野球だけには捕手になるくらい目がなかったとか。
上野公園、動物園といえば今はいなくなったパンダが主役ですが、偶には公園の隅で静かに
佇んでいる偉人たちの足跡を振り返ってみるのはいかがでしょうか。