台北故宮博物館で王羲之直筆の書簡を拝見しましたが、
残念ながら撮影禁止でしたので皆さんにお見せできません。
王羲之(307年~365年)は東晋の書家ですが、中国では書聖とされ、
中国3000年歴史随一の書道家です。
上の写真の「太」の字は王羲之の息子王献之が書いた
「大」に王羲之が点を付け加えたことで有名な逸話になっていますが、
王献之の母、すなわち王羲之の妻がじっと見て、この字で一番よく書けたのは
「,」点だと評価したので、王献之は自分の書道の未熟を恥じもっと書道の稽古に
励んだそうです。
王羲之と言えば「蘭亭序」で有名ですが、15年ほど前に紹興市を訪れたときに
曲水の宴の蘭亭まで行ったことがあります。
日本でもこの拓本はよく書道の教本として使われている
ようですが、それにしてもこんな名人の直筆が残されて
いないのは残念極まりありません。