2014年3月15日姫路で開かれました安保徹先生の講演会の講演録です。
今回は自律神経のバランスについいてです。
自律神経の次には、白血球を理解しないとダメなんです。私達と言うのは、多細胞生物として進化したでしょう。それと、体を構成する細胞って言うのが、特殊化の流れに入っていったんですね。皮膚の細胞はケラチンを作って丈夫になるとか、腸の上皮はうすぺらで、単層のまま消化吸収に専念するとか、特殊化です。特殊化すればするほど、一つ一つの細胞がですね、外から入ってきた危険な異物を処理する能力を、むしろ失っていったんですね。この問題をですね、どうやって多細胞生物はクリアしたかって言うと、単細胞生物時代のアメーバを、特殊化の流れから残したんですね。アメーバようの細胞を全身に分布させて、身を守ったんです。ですから、私達生物はですね、多細胞生物は、脳にも、肺にも、筋肉にも、皆、組織にも、世の中にも、アメーバようのマクロファージ、大型で増殖するんで、防御細胞マクロファージと言う名前つけたんですけど、マクロファージが全身に分布して、身を守ってるんですね。ですから、どこ傷ついて、どこから細菌が侵入してきても、ウイルスが侵入してきても、私達は敗北しない様にできてるわけです。この頃、何か感染症を恐れる様になってですね。何かテレビに国立感染WHOの先生とか、色々怪しげな先生がでてきて、「感染症怖い。怖い。怖い。怖い。」って言って、子ども達に、「さあ、手洗え。さあ、うがいしろ。」って言うけど、関係ないでしょう。私達は、このマクロファージが体の隅から隅まで分布して、身を守っているんで、いちいち手なんか洗う必要ない。あんまりねばねばした時は洗ってね。そう言うもんですよ。食べ物だって、別にマクロファージが守ってるんだから、いちいち熱心に洗う必要もない。リンゴだったら、ズボンに拭いて食べる。そのズボンは一冬洗濯なし。これ位の気迫でなきゃダメですよ。いちいち手洗って、やっぱり見苦しいですよ、手洗って。で、多細胞生物は、無脊椎動物のレベルまでは、マクロファージ1種類で、生体防御してたんですけど、脊椎動物になってからですね、もっと防御効率を高めると言う事で、マクロファージの食べる力をもっと強くした顆粒球ですね。顆粒球は上乗せされた進化で。で、顆粒球は、細菌を処理して、化膿性の炎症を起こして注意を持っていく。そう言う防御細胞ですね。私達、肌域が時々傷ついても心配ないでしょう。ちゃんとふさいで、感染症もない。顆粒球が守ってくれてる。たまに、ニキビとか化膿するけど、顆粒球が大体処理して、大事に至らない。皆、こうやって体が守られているんですね。で、細菌のように粒子の大きいものは、顆粒球が処理するんですけど、ウイルスとか異種タンパクの様にサイズの小さいものはですね、飲み込む作用を誘発できないんですね。それで、マクロファージの食べる力を退化させて、マクロファージが炎症部位に留まるんですが、接着分子をですね、進化させて、接着分子を分布して、小さなウイルスを凝集させて無力化する。こう言う戦略を取ったんですね。こうやって生まれたのが、抗体を作る接着分子を放出するリンパ球の世界なんです。このリンパ球が加わってですね、基本のマクロファージと分子の顆粒球、リンパ球、で、私達の血液の中では、基本のマクロファージが5%、顆粒球が60%に、リンパ球が35%で、比率で分布して身を守っているわけ。ですから、インフレエンザも、アデノウイルスも、ヘルペスも、どんな種類のウイルスが入ってきても怖くないですね。むしろですね、私達のリンパ球の抗体を作る働きと言うのは、一回攻撃にさらされて、初めて苦労が拡大して、免疫が成立する。ですから、ちっちゃい子どもと言うのは、保育園とかに行くと、しょっちゅう風邪を繰り返すんですね。そうやって、大人の免疫にたどり着く。