健康情報“難消化性デキストリン”植物繊維を手軽に

日本人の食生活は平均的に良く見えるが、実は食物繊維が不足している。食物繊維が不足すると便秘・肥満・糖尿病などメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の原因になる。なぜ食物繊維を継続して取ることが大切なのか。青江誠一郎・大妻女子大学家政学部教授(栄養化学)に聞いた。食物繊維は人の消化酵素では消化できない難消化性の食品成分の総称。消化されずに排泄されるため、一見無駄な栄養素に見えるが、実は便通の改善や腸内の良好な環境維持に欠かせない成分だ。おなかの調子を整えるだけでなく、食後の血糖値や中性脂肪の上昇を穏やかにしたり、内臓脂肪の蓄積を抑えたりするなど多くの有用な働きをする事が分かってきた。ところが、日本人の食物繊維の摂取量は戦後ずっと減り続けている。厚生労働省がまとめた“日本人の食事摂取基準・2015年版”によると、男性(18歳以上)は1日当たり20g以上、女性は18g以上の摂取が目標量となっている。これに対し1960年には1日当たり平均20gの食物繊維を取っていたが、2012年には約14gにまで減った。青江教授によると60年当時は米や麦など穀類から約7gの食物繊維を取っていたが、12年には約3gと大幅に減った。穀類ほどではないが、野菜全般から摂取する食物繊維も60年の約8gから12年の約5gへと減った。現代人の食物繊維不足の背景について、青江教授は米や麦などの穀類を食べなくなったのが大きな原因だと言う。2030代の若い女性はダイエット目的などから、1日当たり12g程度しかとっていない。これは非常に問題だと語り、穀物離れが進んだことが食物繊維不足をもたらした主な原因だと指摘する。食物繊維は米や麦などの穀物、ワカメなどの海藻類、こんにゃく豆類、野菜・果物、ココア、キノコ類などに多く含まれる。同じ食物繊維でも、水溶性と不溶性がある。どちらも腸内環境の良好を保つのに必要だ。食物繊維は食べたものを小腸内でゆっくりと移動させ、大腸では早く排泄させる。このため、腸の活動が活発になって便通が良くなったり、急激な血糖値の上昇が抑えられたりする。また腸内にいる善玉細菌の餌になり、腸内細菌のバランスをよくする働きもある。青江教授は“穀類、野菜、豆類、海藻類を毎日ちゃんと食べれば食物繊維不足になることはない“と毎日継続して摂取することが大事だとアドバイスする。ただし、野菜ではレタスのような葉物は食物繊維が少ないので、ゴボウや里芋のような野菜を取るように心がけたい。とはいえ、忙しい生活の中で食物繊維を毎日しっかりと取るのは難しい面もある。そんな場合に有用なのが食物繊維の一種で水に溶ける難消化性デキストリン。トウモロコシを原料に作られた白い粉でサプリメントが市販されている。整腸作用、血糖値と中性脂肪の抑制効果がある。              (日本経済新聞記事より)