Yさん(70代女性)から抗癌剤のことで相談を受けました。去年12月に副腎肉腫(悪性)で左側副腎と腎臓を摘出手術を受けました。まだ見えないがんが残っているかもしれませんので、抗癌剤治療が必要とのことで、お正月過ぎてから抗がん剤治療を始める予定になっていました。抗がん剤治療を受けるかどうか迷ってご主人と一緒に相談にこられたのです。本人は手術後体調は良好で、今のところ何も困ることなく、普通の生活ができるまで回復しておられる。
「抗癌剤を受ける意味は何ですか」と私からの質問。
「見えないがんをやっつけるためだと主治医から説明がありましたが」と本人。
「でも抗癌剤が効いたかどうか、効果の確認ができないですよね。副作用のほうは必ず出ますが。抗がん剤治療を受けるといまの体調は維持できなくなりますよ。場合によっては手足のしびれ、食欲不振、吐き気、脱毛などで苦しむことになります。それを天秤にかけて選択してください」とアドバイスしました。
次の日が主治医の診察日で、Yさんは前日一晩中眠れなかったそうです。抗がん剤治療をどのように断るか、主治医の先生の機嫌が悪くなったらどうする、など心配で心配で・・・
翌日主治医の診察がありました。「先生、抗癌剤は受けたくないですが」と柔らかく言い出しました。すると、なんと主治医から意外な言葉が。
「実は僕も抗がん剤嫌いですよ。本人がそう思うなら受けなくていいですよ!」って!本人と家族は救われた気持ちで先生に何度もお礼を言って病院を後にしたそうです。主治医のその一言でYさんの気持ちが晴れ晴れになりました。