アップルの創業者スティーブ・ジョブズは言いました。

「何を捨てるかで誇りが問われ、何を守るかで愛情が問われる」。

来日したばかりの時、大きなカルチャショックが二つありました。

一つは街の至る所に溢れんばかりの広告で、もう一つは物価の高さでした。

きゅうり2本で198円するには、なかなか手が出ませんでした。

すぐ大連だったらきゅうりが一山買えると換算してしまうからです。

それでも、せっかく日本に来たからには、お金にはあまり頓着せず、

研究に専念しようと決めました。

と申しますのも、妻聖花が既にヤエガキ醗酵技研(株)技術開発研究所に就職していたからです。

私は姫路獨協大学に研究生として在籍しながら、日本語源学会の会長をされていた

吉田金彦教授について、日本語、中国語、韓国語の関係について研究していました。

図書館三昧の毎日で、すぐ大学の機関誌に論文を発表しました。

一年くらいの勉強と準備を経て、大阪大学文化研究所の博士コースを応募しようと思っていました。

それが、ある日非常勤講師をしていた姫路日本語学校のオーナー社長に呼ばれました。

「君が博士を目指していることはよく分かっている。でも、この学校は君を必要としている。

副校長の肩書に給料を初任給の倍にしてやるから残ってくれないか」。

この予想もしなかった破格の待遇の話と、ずっと追い続けてきた博士の夢との選択に、

私は嬉しい悲鳴をあげました。… …