私が6歳の時、一番上の姉が子供を産みました。

可愛い男の子でしたが、原因不明の病気で1ヶ月経たずして死にました。

私の父がその子を古い毛布にくるめて西山に持って行って埋めました。

その時父について山に行ってきたのが私でした。

私が経験した初めての人間の死でした。

私はお婆さんが家の庭に野菜の種をまくと苗が出てくるのを見ていたので

「父さん、この子いつここから出てくるの?」と聞きましたが、

「そんな馬鹿な」といって父は何も答えませんでした。

私が同じ6歳の時、隣家の同じ年で同じ幼稚園のKちゃんが虎に獲られて死にました。

いつも一緒に遊ぶ仲良しでした。

その日も夜小学校の運動場で映画が放映されましたので、

大人たちと一緒に見てきました。

家の前で「明日まだ一緒に遊ぼうね」と手を振ってKちゃんと別れました。

夏の暑い日でしたので夜寝るとき各家は家の窓を開けて寝ます。

それが真夜中に大きな騒ぎがしたので目が覚めました。

外に出てみたら村の男たちが松明と大きな棒を持って集まっていました。

何が何だかわからなかったですが、

Kちゃんが虎に取られていった」と母が教えてくれました。

翌朝の未明、村はずれの池のほとりで、Kちゃんのパンツと頭部が見つかりました。

その当時は、もうKちゃんとは遊べないことだけが悲しかったですが、

私の生まれの秘密を知ってからは、だいぶ後に起こるもうひとつの悪夢と一緒に

ずっと私を苦しめることになります。