4000m、5000m級の山を飛び級して6178mの玉珠山に登頂できたのは、

正直驚きであり、大きな自信になりました。

姫路に戻ると知人友人から沢山の祝いのメッセージをいただきました。

もはやエベレストのような無茶はやめてとの声より、木元さんならできるとの

声をたくさん聞くようになりました。

2010年7月中国の新疆とパキスタンの国境にある慕士塔格峰(ムズターグ峰・7546m)に

挑戦しました。登山許可がなかなか下りず、私が登山許可通知を受けたとき、

他のメンバーはすでに現地集合していました。

4日遅れてベースキャンプ(4300m)につきましたら、次の朝いきなりキャンプ1(5400m)まで

行ってこいとのことでした。結果は胃液まで吐き出す羽目でした。

すぐオートバイに運ばれ、3500mの村で一日休みました。

高山病は不思議なもので高度を下げたらすぐ元気になります。

序盤はこんな繰り返しでしたが、おかげさまで本番では55歳の最年長(2番手が38歳)でありながら、

登頂1番を名乗り、他のメンバーより2時間も早くベースキャンプまで戻ることが出来ました。

第3キャンプの6800mから山頂までのアタックは、夜中の2時に出発しますが、

先頭をガイドさんが登り、夜が明けるまではその先に出ることができません。

道に迷って遭難する人が後を絶たないからです。

ゆっくりペースでよかったですが、あまりにも遅いうえに、後ろを待つ時間が長く

足が凍えてきました。急登で休むのは斜面にくっついて滑落しないように

踏ん張るのが精いっぱいで、凍傷は免れないと半分あきらめていました。

少し明るくなって道しるべが確認できるようになると、自由スタートになりました。

凍傷の足が気になり、私は休まず山頂にたどり着き、証拠写真の後は一目散に

第三キャンプまで下りました。高山ブーツを脱ぎ一生懸命に足指をもみました。

全然感覚がありません。それでもあきらめず20分ほど頑張ると少し感覚が

戻り、さらに10分ほどつづけたらだいぶ感じるようになりました。

ムズターグは玉珠山北壁のように危険な場所は少ないですが、

とにかく無酸素で急登を延々と登らなければなりません。

7500m雪山の厳しさを思う存分体験できた山行でした。